うーんうーんうーーん!!
次回最終回を迎える「青のフラッグ」が、もしかしたらすごいエポックメイキングな作品になるかもしれない…!!
これまでの「青のフラッグ」は、へんな言い方ですが私にとって個人的には”イヤな存在”でした。”イヤな存在”と思えてしまってました。
恋愛とは、友情とは。
同性間の友情の前に異性との恋愛はさっそうと現れて、それまで大事に関係を築いてきた友人をいとも簡単にさらっていくものなのか。
そして「恋愛」とは(同性愛者でないかぎりは)異性とだけするものなのか。
人間関係とか人それぞれの感情とか葛藤とかをものすごく丁寧に描きながら、異性間の恋愛が結局は優先されるものなんだよ、それが正しいんだよ、と「青のフラッグ」は言ってるんだと思ってました。
個人的な話ですが、私は子供の頃から「恋愛」を憎んできました。
なぜだかわからないけど、とにかく物心ついた頃から「恋愛」が嫌いだった。
街やテレビには恋愛の歌があふれ、恋愛のドラマやマンガばかりもてはやされる。
なんで家族愛や友情が、恋愛より下に置かれるんだろう。なんで「愛」といったら「恋愛」のことなんだろう。それがずっと謎だったし納得いかなかったし怒りさえ感じていました。
自分はたぶん腐女子になって、男女の恋愛を男性同士の恋愛という形にいったん転換していくことで、恋愛というものを受け入れたりときめいたりすることができるようになったんですよね。
それでも商業BL作品にあふれかえる、男女の恋愛をそのまま男同士の恋愛にスライドしたような、友情や人間同士の尊重より「恋愛」が有無も言わせず優先されるような感覚(まあ極端に言えばスーパー攻め様と可愛い受けちゃんの恋愛みたいな…)はどうしても受け入れられなかったんですが…
(以下少しネタバレあり↓)
最初に言ったように「青のフラッグ」もきっと同性同士の友情より男女の恋愛が当たり前のように優先されるものとして描かれるんだろうと思ってました。まあそういうもんだよ、と。そりゃ男は女を好きになるもんだよ、と。
これまでのところ、ほぼそうなる流れになってたように見えます。
だけど最終回の直前、今公開中の53話でもしかしたらそれが大きく、とても大きく覆されたのかもしれない。
これまでの流れはあえて意図的に描かれてきたものなのかも。
これはものすごい信念や想いをもって根気強く描かれてきた話なのかも…。
人付き合いがあまりうまくなく、地味な存在の主人公・太一。
太一の幼馴染で、学校の人気者の桃真。
桃真と太一の間で揺れる内気な少女・二葉。
二葉はとても女性的で、ちょっと頼りないところもありがすがたぶん男性からしたらとても魅力的な女の子です。
かっこよくて性格もいい幼馴染の桃真は実は太一のことが好きなのですが、太一が恋愛の相手として二葉より桃真を選ぶ理由は見当たらない。なにしろまず桃真は太一と同じ「男」なのだから。
そしていろいろありつつ、太一と二葉はカップルになります。
”どうせ”太一は二葉とこのまま結ばれハッピーエンドになるんだろうと思って読んできましたが、…ここにきて、本当に最終回直前にきて、大きな展開が。
太一のモノローグで、二葉と別れたことが語られたのです。
付き合っていた太一と二葉が別れ、そして桃真は…?
大人になった太一が一緒に暮らしている相手はいったい…?
「トーマからの最後の確認」とはまさか…?
ああどうなるんだろう、どうなるんだろう。
次回の最終回でものすごく大きなことが描かれるのかもしれない。
期待と不安が入り混じり、ドキドキしまくってます。
「日出処の天子」で毛人が王子を「男は女を求めるもの」と切り捨ててから数十年たち、世界は本当に大きく変わりました。
たとえば2018年に放送されたテレビドラマシリーズ「おっさんずラブ」は、昔ながらのラブコメドラマではありましたが、その根底に男とか女とかを超えて協力し合って生活できる、一緒にいて本当に心地いい相手とは?というのがテーマとして描かれていたようにも感じています。”このドラマのプロデューサーである貴島彩理氏が大学時代に友人の世話になった際に感じた「なぜ彼女と結婚してはいけないのか」という気持ちから着想を得られたものであり、そこから「働く今どきの男女の恋愛観」や「『好き』や『結婚したい』という感情は何か」というテーマへと発展していった”、とのこと。(ウィキペディアより)
「なぜ同性の彼女と結婚してはいけないの?」…これは共働きが一般化し古い男女観から脱却しつつある過渡期に生きる私たちが、意識的にも無意識的にもけっこう強く疑問に思うようになってることなのかも。
一緒にいれば最強だったり心地よかったり自然体でいられる、尊敬できる同性の友人。
いっぽう優しくて可愛くて自己主張が少なくて守ってあげたい存在で、ある意味理想的な女の子。
男は女を、女は男を選ぶのが本当に「当然」なんだろうか?
太一が二葉に語った、「太一が選びたい未来の話」とは…?
この作品が、ものすごく丁寧に執念深くリアルに描いてきた人間関係の、その結末とは。
ああ~~~とにかく4/8に公開される、最終話54話を楽しみに待とうと思います。
もしかしたらすごくガックリくる結末になるかもしれないけど、たとえそうなったとしても、それもそれとして味わおうと思います。
「青のフラッグ」は少年ジャンププラスで現在1~5話と51~53話が無料公開中なので、結末はまだ誰も知らないので、まだ読まれてなかったら今からぜひ…!