こちらは竹書房麗人コミックスからでている商業BLです。
西田東先生のデビュー作。
なんともいえない硬質なのにヘロヘロっとした絵がたまりません。
吉田秋生先生とかがお好きな方はけっこう好きな絵柄なのではと思います。
表題作の「奪う男」含む8編が収録されています。リーマンもの中心です。
「奪う男」は、高校時代バスケ部のレギュラーや彼女を奪っていった自分より何もかも優れているような男が、社会人になった今ふたたび主人公の前に現れ、またもや主人公の大事なものを奪っていこうとする。
しかし彼が本当に奪いたかったのは…?
というストーリー。
リーマンたちの純情がせつなくて可愛くて愛おしい作品です。
ほんとに西田先生の描かれるマンガはかっこよさと可愛さと可笑しさとせつなさが抜群の配分でひしめきあってて、ギャグもききつつ軽すぎず、ハードでありながら重すぎず、ドキドキもするしほのぼのもして、読んでる間も読み終わってからもとても温かく幸せな気分になれるのでほんとおすすめです!
かっこいいけどかっこよすぎないリアルな男子(オッサン)たちの、ロマンチックだけど全然ロマンチックじゃないドタバタラブストーリーがこれでもかと詰め込まれています。
なんというかみんなすごく生き生きと、生々しく、泥臭く生きてるんですよね。
そんな男たちが切実に相手を求めて愛し合うっていうのがほんと萌える…。
こういうの読みたい人にはたまらないと思うのでまだ読まれてない方にはすごく読んでほしいです。
西田東先生の単行本はほとんど持ってるんですが、個人的には初期の作品のほうが好きかな。「奪う男」はまさに神本のひとつだと思いますのでまずはこちらから読んでいただけたらって思います。